テンション・リダクション効果とは?ついで買いのマーケティングについて考える

大阪生まれ大阪育ち。
独学で行動経済学を学んでいます。
本業で毎日文章を書いてばかり。

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テンション・リダクション効果とついで買いのマーケティング行動経済学

どうも、みずきちです。

あなたは普段どこで買い物をしますか?コンビニが多いでしょうか?それともスーパー?
まあどちらでもいいのですが、レジ横に小さな和菓子や電池、ガムなんかを陳列しているのを見ませんか?それってどうしてなんでしょうか?さらに言うとあなたは、もともと買おうとは思っていなかったのについでに買ってしてしまったことはないですか?

なぜこのような現象が発生するのか、それをマーケティングに活かす方法を解説します。

テンション・リダクション効果とは

心理学での活用

買い物をする際は、ある種の緊張状態にあります。
洗剤を切らしているから購入しなければならないとか、一週間の献立を考えたり冷蔵庫に入ってる野菜を思い起こしたりと、いつもの買い物だって意外と頭を使っていませんか?

購入しなければならないものをすべて選んだらあとはレジで精算をするだけです。この瞬間あなたは緊張状態から解放されました。同時に注意力散漫になります。

簡単に言うと、財布の紐が緩むのです。
これまで注意して必要なものと不必要なものを仕分けしていたはずなのに、レジに向かっている途中に目に入ったお菓子をついカゴに放り込んでしまったり。そういえば小腹がすいたし和菓子を買っちゃおうとか思ったり。買い物中の緊張状態だと冷静に見送ることができていたのに最後の最後で購入してしまう。そんな経験はないですか?

緊張状態の原因が解消した途端に注意力散漫になり、警戒心が弱まってしまう心理効果のことをテンション・リダクション効果といいます。英語だとtension(緊張)reduction(消滅)と書きます。

注意力が弱まったことにより我慢ができなくなり、当初考えていなかったものまで購入してしまうのです。

マーケティングでの活用

ついで買いといってしまうとランダム要素が強く感じますが、明確に購入を狙った施策です。
先ほどの例でいくと普段の買い物では中々購入しない和菓子や、必需品とはいえ急ぎで購入する必要性が低い電池の購入を促しクロスセルを狙っています。

クロスセルとは?

顧客が購入しようとしている商品とあわせて、関連商品や別の商品の購入を促すこと。
顧客単価を上げるためのマーケティング施策。

ECサイトでの活用

https://www.amazon.co.jp/ref=nav_logo
https://www.amazon.co.jp/ref=nav_logo

2つの画像はどちらもAmazonのスクリーンショットです。
上は洗濯機を、下は本を選択しているときに表示されました。

洗濯機の購入を検討している顧客には、防振マットをオススメしています。これによって「確かに近隣の人の迷惑になっちゃダメだし一緒に購入しようかな」と感じることを狙っています。
本は関連する書籍を紹介することで同時に購入されることを狙いとしています。

ECサイトの最大の特徴は簡単に購入することができる点です。
実際に現金やカードを店員に渡すといった行為が発生しないこともあり、ついで買いが発生しやすいと言えるかもしれません。

あなたがECサイトを運営するときにはどのようなクロスセル施策を思いつきますか?テンション・リダクション効果を利用したクロスセルは最も簡単に導入することができる施策の1つです。

店頭でのセールストーク

カフェやファストフード店の中には会計の前に他に注文するものはないか聞いてくるところがありますよね。

そのときに「他にご注文はよろしいですか?」と尋ねるよりも「ご一緒にポテトはいかがですか?」みたいに特定の商品を指定してあげたほうが効果的です。

なにか、と聞かれても欲しいものはなかなか浮かびません。ところがそれが特定の商品の場合、注文した商品とセットになっている状態や味をイメージしやすくなるからです。

家電量販店など比較的高額な買い物でも同様の効果を狙うことは可能です。既に支払うことを決断した金額が大きいので、むしろ追加の保証やサービスを売り込みやすいといえます。

BtoBでの商談

経費精算システムなどを販売している企業が、勤怠管理システムをクロスセル戦略として合わせて提案するなどのように、関連する異なる商品を提案することが一般的です。

ターゲットとなる顧客のビジネス形態を把握して、あなたが提案できる商品をどのように組み合わせることができるのかを理解しましょう。

例えば外食店であれば食材だけではなく飲料も必要ですし、ラップや紙ナプキンも必須です。食器洗剤やトイレ用の洗剤なんかも一緒に提案できるかもしれません。

業務用機械を複数購入するのであればメンテナンスがあると安心ですよね。
手指消毒液や石鹸と、衛生面の研修を組み合わせるのも有効そうです。 

繰り返しになりますが、顧客は何を使い、何を必要としているのか。それに対してあなたはどのようなサービスを提供することができるのかを把握しましょう。

最後に

テンション・リダクション効果は万人に発生するのである程度の効果は見込めます。そのうえ簡単に取り入れることができます。

BtoCでもBtoBでも、コストをかけずに提案をすることができます。
ただし、提案をするタイミングには注意しましょう。せっかく購入してくれる見込みが高い顧客であっても、決断前に追加の提案をしてしまうと本命さえ購入してくれなくなるかもしれません。

注意力が散漫になるのはあくまで購入を決断した後です。
押し売りにならない形で、あくまで顧客にメリットを与えられるものを提案してくださいね。

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