どうも、みずきちです。
あなたにはこんな経験がないですか?
SNSを利用しているけれど、おすすめに表示される投稿があまりに過激で見ていて嫌な気持ちになる。
とくにX(旧Twitter)に顕著な傾向かもしれません。
日々生活をしているとほとんど見かけないような尖った意見とそれに同調する多量の人々が各カテゴリーごとにいますよね。これはサイバーカスケードという現象が理由の1つです。
なぜサイバーカスケードが発生してSNSの意見が過激になるとかを解説します。
情報カスケードとは?

サイバーカスケードの前に、情報カスケードについて理解する必要があります。
カスケード(Cascade)とは元々フランス語で連なった小さな滝、という意味を持つ単語であり、それが転じて物事が連続していることや何かが連鎖している状態を指して使われています。
多くの人が特定のことに対して順番に評価していく際、自分の考えや持っている情報からではなく周囲の意見を参照する形で評価を下すことを情報カスケードといいます。
この状況になると個々の評価は出てこず、最初に評価を下した人の考えに同調するように同じような評価が連鎖していきます。
会議に例えてみるとわかりやすいかもしれません。
A案とB案のどちらにするかを議論するときにXが「絶対にA案だ!」と言いました。Xと仲が良く考え方も近いYが「私もA案だと思います」と同調します。続いて意見を求められたXには確固たる意見がありません。どちらでもいいのであればわざわざ対立する理由がないからと「私もA案です」と言えば残りの人たちはどうするでしょうか?
他の人が持っていない情報をもとにB案のほうが良いのでは、と考えていたWは雪崩のように同調するA案を推す声に飲まれて同調してしまいました。結果、満場一致でA案を進めていくことになったのです。
こんな会議に覚えはないですか?
重要なことはWは他の人が知らない情報を持っていた、という点です。もしも1人目がXではなくB案を推している人だったら、全く逆の結果になっていたかもしれません。
サイバーカスケードとは?

情報カスケードがインターネット上で発生することをサイバーカスケードといいます。SNSで発生することが多く、往々にして物議を醸したり炎上につながることがあります。
特定の趣味や共通点を持つ人たちがコミュニティとなって繋がることができ、互いに共有しながら楽しむことができるのがSNS最大の特長でありメリットです。サッカーやゲーム、政治や考え方など無数のコミュニティがありますよね。
そのコミュニティの中で力を持った人が発言をしたことや目を引く投稿はいいねやリポストを繰り返すことで周囲の同調を得ながら(知らずのうちに強制しながら)コミュニティの総意として振る舞うようになります。
まさにサイバーカスケードとなるわけです。
SNSの意見はなぜ先鋭化するのか

Xは匿名性が非常に高く、投稿者を特定することは基本的にできません。そのため現実では発言をはばかられるような内容でも気軽に投稿することができます。
センシティブな悩みの解決方法などプラスの使い方ももちろんできるのですが、裏を返せば誹謗中傷や差別的な発言のようにマイナスの投稿も簡単にできてしまいます。
それは同じコミュニティであることから一定数の同意を得ます。
いいね、リポストは嫌でも承認欲求を刺激され健全なコミュニティであっても過激な言動に走ってしまうことも多いでしょう。
ただしそれはコミュニティ内での話です。コミュニティ内での尖りきった総意、常識は外の人たちにとってはあまりに過激で攻撃的なことがあります。
そんな投稿はあっという間に拡散され、炎上します。ときには誹謗中傷につながるのです。
恐ろしいのはその誹謗中傷が新たなサイバーカスケードによって手が付けられないくらいに広がってしまうことです。炎上しているアカウントや著名人に対してまるで鬼の首をとったかのように攻撃をするアカウントを見たことがありませんか?
カスケードに巻き込まれないために
サイバーカスケードの発生を防ぐことはできないでしょう。SNSの流れをコントロールすることなど不可能です。
せめてあなたが巻き込まれてしまわないように、SNSはサイバーカスケードが発生しやすいということを認識してください。
趣味のコミュニティですら過激なアカウントがあるので、意識をしないと簡単に巻き込まれて同調してしまうなんてことになりかねます。
また、そもそも流れてきて情報が真実なのかも疑いましょう。中には嘘の情報が巨大化していることもありますよね。SNSは誰でも投稿できるので真実ではない情報がおびただしい数流れています。
画面の向こうの顔は見えず匿名だと言っても相手は人間です。現実のコミュニケーションでは当たり前の相手の気持ちを考えるということを忘れずに健全に楽しくSNSを楽しんでくださいね。
まとめ
順番に意見を述べていく際、最初の発言や発言力のある人の意見に引っ張られて個々の考えが打ち消されて場の総意が形成されることを情報カスケードといい、特にインターネット上で発生するカスケードをサイバーカスケードという。
SNSはコミュニティごとのある種の閉鎖空間でカスケードが発生しやすく、それをコミュニティ内外の人が問題視した際に炎上が発生する恐れがある。さらにその炎上への攻撃がカスケード化し、過激化することも。
中でもXは匿名で拡散しやすいため意見が先鋭化されやすい。
SNSはカスケードが起きやすいことを理解して飲み込まれないように意識をすること、そもそもその情報が真実なのかを疑うことが重要である。
参照
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総務省|令和元年版 情報通信白書|インターネット上での情報流通の特徴と言われているもの
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